疾患について
重症筋無力症(MG)は、神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)に異常が生じ、筋力が低下しやすくなる自己免疫疾患です。
まぶたが下がる、物が二重に見える、話しにくい、飲み込みにくい、手足が疲れやすいといった症状がみられます。特徴として、使い続けると悪化し、休むと回復しやすい「易疲労性」や、午前より午後に症状が強くなる「日内変動」があります。
原因は、抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)や抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体(抗MuSK抗体)などの自己抗体が、神経から筋肉への信号伝達を妨げることにあります。
治療はステロイドや免疫抑制薬を中心とした免疫療法を基本とし、症状をできるだけ軽い状態で安定させ、生活の質(QOL)を保つことを目標に行います。
トピックス
重症筋無力症の新しい治療 ― 生物学的製剤 ―
近年、重症筋無力症(MG)の治療は大きく進歩し、病気の仕組みを標的とする生物学的製剤が使用可能となっています。
補体C5の阻害薬は、自己抗体により活性化される「補体(免疫反応の一部として働くタンパク質群)」の作用を抑え、神経筋接合部の破壊を防ぐ治療です。
一方、FcRn阻害薬は、原因となる自己抗体を減少させることで症状の改善を図ります。
これらの新しい治療により、症状の安定化やステロイドの減量、生活の質(QOL)の向上が期待できるようになり、治療の選択肢は大きく広がっています。
当科では、患者さん一人ひとりの病状や生活背景に合わせ、最適な治療法をご提案しています。
重症筋無力症(MG)で使用される生物学的製剤

