

群馬大学脳神経内科の歴史について
群馬大学脳神経内科教室は、1973年4月に発足して以来、50年を越える歴史があります。私は2013年に群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野に教授として着任しました。当教室はこれまで、群馬県内外で活躍する脳神経内科医を多く輩出して参りました。教室員の自主性を重んじ、自由闊達な風土のもとに活動をしています。

群馬大学脳神経内科の使命について
本教室の最大の使命として、地域医療を支え、国内外で活躍する優秀な脳神経内科医・脳神経研究者の育成を掲げて活動して参りました。2013年以降の実績として、日本神経学会が認定する神経内科専門医も26名が取得しています。これにより、県内の各地域の脳神経内科診療を支える専門医が充実し、さらに質の高い医療を提供しています。

臨床研修・教育の方針について
群馬大学脳神経内科では、かねてより研修医・専攻医-指導医-上級医(教官)から構成されるチーム医療を実践しており、教授は毎週のカンファレンスで全ての患者さんについての病歴・神経診察所見・検査所見・治療方針をチェックし、きめ細やかな指導を行っています。当院は群馬県唯一の大学病院であり、各種の脳神経内科疾患が幅広く紹介されているため、専門医を目指す皆様には最適の研修環境を提供しています。このため、全ての脳神経内科疾患を万遍なく経験することができます。電気生理学的検査、筋生検、神経生検ともに専門研修一年目に経験が可能であり、筋生検・神経生検の標本作成から病理所見の判読まで一連の過程を教室内で行っています。また神経救急疾患も多く来院し、脳神経外科と連携してSCUの運営にも携わっています。
診療面における特色について
脳神経内科では、認知症、脳卒中、片頭痛といった頻度の高い疾患や、まれではあるものの、日常生活に大きな支障をきたしうる神経難病に対する診療を担当しています。近年、これまでは治療薬に乏しかった疾患にも大きな進歩があります。認知症疾患の代表であるアルツハイマー病の進行を抑制する抗アミロイド・ベータ抗体薬や、重症筋無力症や視神経脊髄炎といった免疫性神経疾患に対する生物学的製剤、SOD1遺伝子変異型の筋萎縮性側索硬化症や家族性アミロイドポリニューロパチーといった遺伝性神経疾患に対する核酸医薬など、臨床効果の高い新たな治療が臨床現場で使用されています。新規治療薬が次々と登場する中で、私どもは、これらの治療手段を最良の効果が得られるよう、適切に用いて診療を行っています。

研究活動について
脊髄小脳変性症、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症といった神経難病の治療開発へ向けた臨床研究や病態解明研究、認知症の予防に関する臨床研究や認知症バイオマーカーの開発に資する基礎研究に関する論文を発表しています。また、専攻医においても、英語での症例報告論文の作成を推奨しており、論文作成法についても基礎から学ぶ姿勢を涵養しています。今後も研究成果を世界へ向けて発信していきたいと思います。


さらなる教室の発展に向けて
脳神経内科疾患には、日常生活を営む上で大きな障害をもたらすものが多いため、患者さんに喜ばれる新たな治療開発を目指し、さらなる脳神経内科診療の発展のため、全教室員が力を合わせて前進しています。脳神経内科や脳神経科学に興味のある医学生や若手医師の皆さんと一緒に、脳神経内科疾患の克服へ向けてチャレンジをしていきたいと思いますので、お気軽にお声がけ下さい。
2026年3月 池田佳生
