疾患について
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、全身にあるさまざまな神経細胞のうち、運動神経細胞が特異的に障害される疾患です。臨床的には、手足の筋力低下、筋萎縮(やせ)、飲み込みづらさ、しゃべりづらさなどが出現し、徐々に進行します。最終的には呼吸筋麻痺をきたし、呼吸補助が必要となる神経難病です。現在のところ根治的な治療法は存在せず、厚生労働省の指定難病の一つに認定されています。
ALSの臨床診断
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、全身にあるさまざまな神経細胞のうち、運動神経細胞が特異的に障害される疾患です。臨床的には、手足の筋力低下、筋萎縮(やせ)、飲み込みづらさ、しゃべりづらさなどが出現し、徐々に進行します。最終的には呼吸筋麻痺をきたし、呼吸補助が必要となる神経難病です。現在のところ根治的な治療法は存在せず、厚生労働省の指定難病の一つに認定されています。
ALSの臨床経過と医療処置
2026年2月現在、ALSに対して症状の進行を遅らせる治療として、日本では3種類の薬剤(リルゾール、エダラボン、メコバラミン)が保険適用となっており、患者さんと相談しながら最適な治療を導入するよう努めています。
また、ALSでは病気のはじまり(発症)から診断がつくまでに1年前後かかることも多く、病気の進行速度にも大きな個人差があります。さらに、どのタイプから始まっても、経過とともに四肢、脳神経系(構音や嚥下)、呼吸筋に障害が出現するようになることから、患者さんごとに適切な時期に、症状に合わせた治療を検討する必要があります。
嚥下障害に伴う栄養障害に対する胃瘻造設や、呼吸障害による呼吸不全に対する人工呼吸器導入などの医療処置を要することがあるため、当院ではALSの患者さんに対し、外来診療において定期的に栄養状態や呼吸状態のチェックを行っています。
トピックス
家族性ALSに対する分子標的薬の登場
ALS患者さんの約5%には遺伝性のタイプがあり(家族性ALS)、その責任遺伝子も10種類以上報告されています。家族性ALSのうち、もっとも頻度の高いタイプがSOD1遺伝子変異陽性のALSです(SOD1-ALS)。SOD1-ALSに対しては、2025年3月にトフェルセンが我が国で保険収載され、異常なSOD1蛋白の発現を抑えることで神経障害を抑制できる画期的な治療といえます。当院でも、SOD1-ALSの患者さんに対してトフェルセンの髄注療法を行っています。
