ALSの病態におけるTAF15の関与に関する検討
当科では、ALSの原因解明ならびに症状の緩和や予後の改善を目指して、病理学的研究や分子細胞学的研究も行っています。ALSの病態においてはTDP-43というたんぱく質が関与しており、TDP-43は正常では核内に存在し(図1A)、RNAの調整に関わる蛋白ですが、ALSではそれが細胞質内に移行しており、さらにリン酸化が生じていることが知られています(図1B、C)。
ALSの神経細胞死の原因としてTDP-43の異常の関与は確かです。しかし、ALSで運動神経細胞が選択性を持って障害されるのにはTDP-43の異常だけでなく何らかの別の因子の関与が疑われます。
近年、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やFTLD(前頭側頭葉変性症)の病態においてRNA結合蛋白の関与が示唆されています。FUS、TAF15、EWSはFETファミリーと呼ばれるグループに属し、RNA結合蛋白としてRNAのスプライシングやRNAの安定化などの機能を持っています。一方でALS病理ではTDP-43がニューロンの細胞質に凝集していることが知られており、TDP-43もまたRNA結合蛋白の一種です。
当科では、FETファミリー蛋白の中でもTAF15に着目し、TAF15のALS病態への関与を明らかにするべく研究を行っています。
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